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高血圧の進行によって引き起こされる症状

高血圧の進行によって引き起こされる症状

2018年4月24日

高血圧は文字通り、血圧が高い状態を言います。「血圧」は、血流などにより血管の壁にかかる圧力のことです。したがって、「血圧が高い」というのはつまり、「血管に高い圧力がかかっている」という状態です。血管に高い圧力がかかり続けると、血管の壁はダメージを受け、やがてあちこちに傷が付いていきます。血管の壁が傷付くと、傷の部分に血液中のコレステロールなどの脂質が付きやすくなります。血管の壁にコレステロールなどが付くと、それがきっかけでさまざまな細胞が反応し、血管壁は少しずつ盛り上がっていきます。すると血管は硬くなり、血液の通り道も狭くなります。これが「動脈硬化」と言われる状態です。
このような仕組みで、高血圧は動脈硬化を引き起こす原因となっているわけです。そしてこの動脈硬化が、高血圧の合併症の引き金となっているのです。
血管は全身に張り巡らされています。血液は、心臓から血管を通じて体の隅々まで酸素や栄養を送り、脳などの臓器が十分に機能できるよう支えています。しかしその血管で動脈硬化が起こると、先ほど説明したような仕組みにより血流が滞ってしまいます。血流が滞ると、その先にある臓器に十分な酸素や栄養が行き届かなくなってしまいます。
高血圧により、心臓の血管で動脈硬化が進むと「狭心症(きょうしんしょう)」や「心筋梗塞(しんきんこうそく)」「大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)」などの「心血管病(しんけっかんびょう)」になりやすくなります。また、高血圧により、脳の血管で動脈硬化が進むと「脳梗塞(のうこうそく)」や「くも膜下出血」などの「脳卒中」になりやすくなります。これらの心血管病や脳卒中は、高血圧がきっかけとなって起こった場合に「高血圧の合併症」と呼ばれます。厚生労働省が、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」のために行った調査では、「収縮期血圧が10mmHg上昇すると、狭心症や心筋梗塞などの心血管病の発症・死亡リスクが約1.1〜1.4倍上昇する」と示されています。また、高血圧で脳卒中のリスクが高くなるというデータもあります。大阪市立大学の研究グループによる報告では、最高血圧が160mmHg以上の人はそうでない人に比べて脳梗塞の発症リスクが約3.5倍、脳出血の発症リスクが6.1倍高くなっていました。この結果は、日本脳卒中学会による「脳卒中治療ガイドライン2015」でも引用されています。
このように、高血圧の合併症としての心血管病や脳卒中は、国民の健康に大きく影響しているということが、厚生労働省によるデータからも示されているというわけです。