内科について
風邪やインフルエンザといった感染症や、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の症状の診療を行います。
お子さまの急な発熱、風邪、胃腸炎などの体調不良もご相談下さい。
よくある症状や疾患
- 風邪
- インフルエンザ
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
風邪について
かぜという言葉を聞いたことが無い人はいないと思います。
患者さん:『先生、かぜひきました。』
医者:『では、お薬だしておきますね。』
というやりとりは医療現場で日々何度となく繰り返されています。それくらいかぜとはありきたりな状態です。しかし実は、かぜとその周辺は色々と分かりにくく、難しさもはらんでいます。
風邪の定義
かぜの定義は次のようになります。『主にウイルス感染(成人では80〜90%を占めると言われています)による上気道(鼻やのど)の炎症でおこる症候群のこと。くしゃみ、鼻汁、咽頭痛、咳嗽などの局所症状と発熱、倦怠感、食思不振などの全身症状をきたす。』
このように実は表現は大変曖昧です。症候群ですから症状から診断するしかありません。何らかの検査で確定する病名ではないのです。ですからさすがの名医が診察しても厳密には『今のところかぜが疑わしい』ということしか言えないのです。結果的に『かぜは万病のもと』という格言が身につまされることは時に起こり得ます。
それは主に下記①および②のような展開です。
①かぜがこじれると大病になる。(肺炎、髄膜炎など)
②かぜと思っていたら別の病気だった。
このようなことは残念ながら完全には避けられないのです。完全には避けられないまでも極力減らすように、注意深い診察や経過観察が必要なのです。
治療方法
風邪自体に特効薬はありません。『風邪を早めに治したくて病院受診しました!』という皆さんにとってみれば自然な発想からの言葉も実は大変医者泣かせなものです。特殊な場合を除いては、安静および症状を抑える薬のみを出して(対症療法と言います)自身の抵抗力で治癒するのを待つしかありません。医療へ期待一杯の患者さんにしてみれば物足りない冷たい対応のようでもこれが医療上の正解なのです。
当院では下記のように対応しております。
- 安易にかぜと決めつけずに、しっかり向き合います。
- 受診時点で正しく対応して、注意深く経過観察をします。
- 患者さんにも正しい理解を促します。
高血圧の進行によって引き起こされる症状
高血圧は文字通り、血圧が高い状態を言います。「血圧」は、血流などにより血管の壁にかかる圧力のことです。したがって、「血圧が高い」というのはつまり、「血管に高い圧力がかかっている」という状態です。血管に高い圧力がかかり続けると、血管の壁はダメージを受け、やがてあちこちに傷が付いていきます。血管の壁が傷付くと、傷の部分に血液中のコレステロールなどの脂質が付きやすくなります。血管の壁にコレステロールなどが付くと、それがきっかけでさまざまな細胞が反応し、血管壁は少しずつ盛り上がっていきます。すると血管は硬くなり、血液の通り道も狭くなります。これが「動脈硬化」と言われる状態です。
このような仕組みで、高血圧は動脈硬化を引き起こす原因となっているわけです。そしてこの動脈硬化が、高血圧の合併症の引き金となっているのです。
血管は全身に張り巡らされています。血液は、心臓から血管を通じて体の隅々まで酸素や栄養を送り、脳などの臓器が十分に機能できるよう支えています。しかしその血管で動脈硬化が起こると、先ほど説明したような仕組みにより血流が滞ってしまいます。血流が滞ると、その先にある臓器に十分な酸素や栄養が行き届かなくなってしまいます。
高血圧により、心臓の血管で動脈硬化が進むと「狭心症(きょうしんしょう)」や「心筋梗塞(しんきんこうそく)」「大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)」などの「心血管病(しんけっかんびょう)」になりやすくなります。また、高血圧により、脳の血管で動脈硬化が進むと「脳梗塞(のうこうそく)」や「くも膜下出血」などの「脳卒中」になりやすくなります。これらの心血管病や脳卒中は、高血圧がきっかけとなって起こった場合に「高血圧の合併症」と呼ばれます。厚生労働省が、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」のために行った調査では、「収縮期血圧が10mmHg上昇すると、狭心症や心筋梗塞などの心血管病の発症・死亡リスクが約1.1〜1.4倍上昇する」と示されています。また、高血圧で脳卒中のリスクが高くなるというデータもあります。大阪市立大学の研究グループによる報告では、最高血圧が160mmHg以上の人はそうでない人に比べて脳梗塞の発症リスクが約3.5倍、脳出血の発症リスクが6.1倍高くなっていました。この結果は、日本脳卒中学会による「脳卒中治療ガイドライン2015」でも引用されています。
このように、高血圧の合併症としての心血管病や脳卒中は、国民の健康に大きく影響しているということが、厚生労働省によるデータからも示されているというわけです。
脂質異常症
脂質異常とは、血液に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質の量が基準値を大幅にはずれた状態です。
進行すると血液に含まれる脂質によって血液がドロドロの状態となり、血管が狭くなったり詰まったりするので、動脈硬化を引き起こしやすくなります。
特に自覚症状がないため、健康診断などで異常を指摘されて初めてわかることが多いようです。主な原因としては、高カロリーな食事や菓子類などの糖分の多い間食、揚げ物、清涼飲料水、アルコールなどのとり過ぎや運動不足などが考えられます。
脂質異常症を放置すると、動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳梗塞の原因となる場合があります。正常の方と比較すると、LDLコレステロールが140mg/dL以上の場合は約2倍、180mg/dL以上だと約3倍以上心筋梗塞のリスクが上昇します。また、中性脂肪が高い場合やHDLコレステロールが低い場合も、内臓脂肪が蓄積したり、心疾患を引き起こしたりしやすくなります。
特に中性脂肪は300mg/dLを超えると心疾患のリスクが高くなります。
脂質異常症の他にも糖尿病や腎臓の病気などの合併症がある場合は動脈硬化が進行しており、さらに心筋梗塞などの心疾患を引き起こしやすい状態です。医師の指導を受け、改善に努めることが必要です。