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自律神経失調症

自律神経失調症

2018年5月7日

元々全身に張り巡らされていて、我々の体を絶妙にコントロールしている自律神経が一度アンバランスに陥った結果おこる状態のことです。
実は自律神経失調症とはあまり厳密な病名ではありません。お医者さんによってはそんな病名ない!と言ってのける方もあります。
ただ、何らか症状があり、これに対して検査の異常が認められなかったりした場合、原因不明と表現するより、自律神経失調によるものと表現した方が適切と判断した場合に私は使うことにしています。


私が自律神経失調症と呼ぶ状態には検査異常を伴わないことの他に、①慢性的に経過する②程度が変動する③症状がいくつもあるという特徴があります。更には症状の結果ということも含めると不眠、不安、憂鬱といったメンタル面の不調も伴っていることも珍しくない印象です。(うつ病や不安神経症などの状態に近いが、その基準には満たない場合も自律神経失調症と呼ばれやすいです。)

私が自律神経失調症と呼ぶ前に一番注意を払うのが、他の病気ではないか?です。

検査異常なし=自律神経失調症というのは間違いで、検査で異常が見つかりづらい他の病気もたくさんあります。色々思案した結果、どうやらそういう病気も含めて当てはまる病気が無いと判断したら暫定的に自律神経失調症と呼ぶことにしています。他の病院では自律神経失調症と言われたけれど、当院では別の病気と診断した場合や、当院でも当初は自律神経失調症と考えていたが、後々他の病気が明らかになることもあり得ます。

元々全身に張り巡らされていて、我々の体を絶妙にコントロールしている自律神経が一度アンバランスに陥ると本当に色々な症状(下記)が出ます。しかも、変化もするし、検査でも異常が見つからず・・・実体が本当に掴みづらいものです。更には治療も確立したものはなく、すっきり治せることも少ないのでお医者さんに相談しても要領を得なかったり、中には厄介者扱いされてしまうケースもあります。

当院では根気よく皆様と向き合い、その診断・治療で貢献していきたいと思っております。

自律神経失調症の主な症状
  • 精神症状:不安、イライラ、落ち込み、易怒性、集中力・記憶力・注意力低下など
  • 全身症状:倦怠感、易疲労感、微熱、ふらつき、食欲低下、不眠(入眠障害・熟眠障害)、覚醒障害
  • 頭:頭痛、頭重感
  • 耳:耳鳴り、耳閉塞感など
  • 目:疲れ目、涙目、目の乾き、目があかない
  • 口:乾き、口の中が痛い、味覚異常、唾液過多
  • のど:異物感、圧迫感、イガイガ感、のどにつまる
  • 呼吸器:息苦しい、息がつまる、息ができない
  • 心臓・血管:動悸、胸部圧迫感、立ちくらみ、冷え、のぼせ、血圧・脈拍の変動
  • 消化器:吐き気、腹痛、下痢、便秘、お腹のはり、つかえ感
  • 生殖器:インポテンツ、早漏、射精不能(←以上男性)、月経不順、外陰部のかゆみ(←以上女性)
  • 手足:しびれ、痛み、冷え、ほてり
  • 筋肉・関節:肩こり、痛み、関節のだるさ、脱力
  • 皮膚:多汗、乾燥、かゆみ
  • 泌尿器:頻尿、残尿感、尿が出づらい